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特長
種類名 BT水和剤10
有効成分 BT菌の生芽胞および産生結晶毒素
(力価として1000B.m.B.単位/mg)・・・10.0%
性状 類白色水和性粉末
毒性 普通物
有効年限 4年
包装 100g(袋)x10x6、500g(袋)x20
作用機構分類 IRAC 11A[BT(生菌)]
  • 抵抗性のつきにくいBT生菌剤です。
  • 自然界に存在する有用細菌を利用した微生物殺虫剤です。
  • チョウ目害虫の幼虫に、きわめて選択的に防除効果を示します。
  • 2種類のB.t.菌を混合した製剤で、安定した効果が期待できます。
  • 野菜・果樹・芝・樹木を加害する、チョウや蛾の幼虫に安定した効果を発揮できます。
  • 哺乳類、鳥類、魚類や、チョウ目幼虫以外の昆虫類に対して影響が少ないです。
  • 有機農産物生産や特別栽培農産物生産に使用できます。
  • 2種類のB.t.菌の亜種を混合しているため抵抗性発達の心配が少ないです。
  • 環境や天敵に対する影響が少ないです。
  • 作物に対する薬害の心配が少ないです。
  • 収穫直前まで使用することができます。
  • 使用回数の制限がなく、有機栽培や特別栽培農産物生産に使用できます。
  • 国内唯一、「クルスタキ」と「アイザワイ」の2種類のBT菌を混合した製剤で安定した効果が期待できます。

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(製造元 (株)エス・ディー・エス バイオテックへのリンク)

B.t菌と生芽胞の役割
BT生菌剤の生芽胞は殺虫性蛋白質(クリスタル)の殺虫活性を速めたり、殺虫力を増強させたりします。
B.t菌の栄養型細胞および生芽胞とクリスタル
作用機構
試験成績
バシレックスの優位性
茶のヨモギエダシャクに対するバシレックス水和剤の効果
各種BT剤のハスモンヨトウ幼虫に対する殺虫力比較試験
  • Aizawai株の方がハスモンヨトウに対する活性は高い傾向にあり、両亜種の混合剤であるバシレックス水和剤は、kurstaki株由来の他のBT剤よりも高い。
  • 哺乳類、鳥類、魚類や、チョウ目幼虫以外の昆虫類、天敵類に対し影響が少なく、適用作物に対する薬害の心配もありません。
B.t.aizawai と kurstaki の殺虫活性
害虫名 亜種名 バシレックス
kurstaki+aizawai
kurstaki aizawai
コナガ S系
K株- R系

×


モンシロチョウ
ハスモンヨトウ
ヨトウムシ
コカクモンハマキ
ヨモギエダシャク
アメリカシロヒトリ
ヒメシロモンドクガ


×















K株(kurstaki)- R系(抵抗性系統)のコナガに対してはaizawaiA株は高い活性を示す。またハスモンヨトウ、ヨトウムシに対してもK株よりもA株の方が活性が高い傾向にある。
亜種により害虫に対する殺虫活性が異なるが、A株、K株の混合により殺虫活性の幅を広くしたBT剤がバシレックス水和剤である。
数種薬剤のコナガに対する感受性検定
供試薬剤  LC50(ppm)
系統A 系統B 系統C
バシレックス水和剤 25.1 20.6 18.8
化学剤A 350.2 288.1 15.6
化学剤B 381.4 518.1 49.2
化学剤C 210.1 285.4 51.0
系統A: 1986年滋賀県安土町 自然発生のコナガを採集
系統B: 1997年滋賀県安土町 自然発生のコナガを採集
系統C: 継代飼育の薬剤感受性コナガ
適用害虫の範囲と使用方法
作物名 適用病害虫 希釈倍数 使用方法 使用時期 散布液量
野菜類 タマナギンウワバ 1000倍 散布 発生初期(但し、収穫前日まで) 100〜300L/10a
コナガ 1000〜2000倍 散布 発生初期(但し、収穫前日まで) 100〜300L/10a
ヨトウムシ 500倍 散布 発生初期(但し、収穫前日まで) 100〜300L/10a
ハスモンヨトウ 500倍 散布 発生初期(但し、収穫前日まで) 100〜300L/10a
アオムシ 1000〜2000倍 散布 発生初期(但し、収穫前日まで) 100〜300L/10a
りんご ハマキムシ類 1000倍 散布 発生初期(但し、収穫前日まで) 200〜700L/10a
ヒメシロモンドクガ 1000倍 散布 発生初期(但し、収穫前日まで) 200〜700L/10a
アメリカシロヒトリ 1000倍 散布 発生初期(但し、収穫前日まで) 200〜700L/10a
さんしょう(果実) アゲハ類 1000倍 散布 発生初期(但し、収穫前日まで) 200〜700L/10a
かき イラガ類 1000倍 散布 発生初期(但し、収穫前日まで) 200〜700L/10a
カキノヘタムシガ 1000倍 散布 発生初期(但し、収穫前日まで) 200〜700L/10a
ストック コナガ 1000倍 散布 発生初期 100〜300L/10a
樹木類 トビモンオオエダシャク 500〜1000倍 散布 発生初期 200〜700L/10a
さくら モンクロシャチホコ 1000倍 散布 発生初期 200〜700L/10a
アメリカシロヒトリ 1000〜2000倍 散布 発生初期 200〜700L/10a
プラタナス アメリカシロヒトリ 1000〜2000倍 散布 発生初期 200〜700L/10a
つばき類 チャドクガ 1000倍 散布 発生初期 200〜700L/10a
フェニックス・ロベレニー トビモンオオエダシャク 500〜1000倍 散布 発生初期 200〜700L/10a
タマナヤガ 1000倍 散布 発生初期 300mL/m²
シバツトガ 500〜1000倍 散布 発生初期 300mL/m²
スジキリヨトウ 500〜1000倍 散布 発生初期 300mL/m²
しいたけ(菌床栽培) ムラサキアツバ 500〜1000倍 被害菌床全体へ薬液が滴るまで散布 幼虫発生期 100〜300L/10a
ヨモギエダシャク 500倍 散布 発生初期(但し、摘採7日前まで) 200〜400L/10a
チャノコカクモンハマキ 500〜1000倍 散布 発生初期(但し、摘採7日前まで) 200〜400L/10a
チャハマキ 500倍 散布 発生初期(但し、摘採7日前まで) 200〜400L/10a
チャノホソガ 500倍 散布 発生初期(但し、摘採7日前まで) 200〜400L/10a
使用上の注意
効果・薬害などの注意
  • 使用量に合わせ薬液を調整し、使いきる。
  • 散布液調製後はそのまま放置せず、できるだけ速やかに散布する。
  • 使用に当たっては、展着剤を加用することが望ましい。
  • 本剤は吸湿すると固化したり、効果が低下したりすることがあるので、貯蔵に当たっては湿気に注意し、特に使用残りの薬剤は密封して乾燥した冷暗所に貯蔵する。
  • アルカリ性の強い石灰硫黄合剤、ボルドー液などの農薬及びアルカリ性の強い葉面施用の肥
    料などとの混用はさける。
  • 本剤は若令幼虫に有効なので、若令幼虫期に時期を失せず散布する。
  • 適用作物群に属する作物又はその新品種に本剤を初めて使用する場合は、使用者の責任において事前に薬効・薬害の有無を十分確認してから使用する。なお、病害虫防除所等関係機関の指導を受けることが望ましい。
安全使用・保管上の注意
  • ミツバチに対して影響があるので、以下のことに注意する。
    1. ミツバチの巣箱及びその周辺にかからないようにする。
    2. 受粉促進を目的としてミツバチ等を放飼中の施設や果樹園等では使用をさける。
    3. 養蜂が行われている地区では周辺への飛散に注意する等、ミツバチの危害防止に努める。
  • 蚕に対する毒性があるので、養蚕主要県及びその他主要養蚕地帯では使用しない。また、養蚕農家、共同飼育場などの周辺では施用しない。また、これら以外の場所でも付近に桑園がある場合は、飛散してかからないように風向等に十分注意して散布する。なお、本剤の使用に当たっては、散布地域の使用規制に従う。特に初めて使用する場合は、病害虫防除所等関係機関の指導を受けることが望ましい。
  • 茶に使用する場合は残臭のおそれがあるので、摘採前7日以内の使用はさける。
  • 空中散布には使用しない。
  • 本剤は眼に対して刺激性があるので眼に入らないよう注意する。眼に入った場合には直ちに水洗し、眼科医の手当を受ける。
  • 本剤は皮膚に対して弱い刺激性があるので皮膚に付着しないよう注意する。付着した場合には直ちに石けんでよく洗い落とす。
  • 散布の際は農薬用マスク、手袋、長ズボン・長袖の作業衣などを着用する。作業後は直ちに手足、顔などを石けんでよく洗い、洗眼・うがいをするとともに衣服を交換する。
  • 作業時に着用していた衣服等は他のものとは分けて洗濯する。
  • かぶれやすい体質の人は取り扱いに十分注意する。
  • 街路、公園等で使用する場合は、散布中及び散布後(少なくとも散布当日)に小児や散布に関係のない者が使用区域に立ち入らないよう縄囲いや立て札を立てるなど配慮し、人畜等に被害を及ぼさないよう注意を払う。
  • 使用量に合わせ薬液を調製し、使いきる。空袋は圃場などに放置せず適切に処理する。
  • 保管
    直射日光をさけ、食品と区別して、なるべく低温で乾燥した場所に密封して保管する。
製造:(株)エス・ディー・エス バイオテック