ぶどう/晩腐病の生態と防除


本病は収穫期の降雨により二次伝染が助長され、急速な発生拡大を起こして収量の低下を招くことから、ぶどう栽培においては難防除病害の一つに挙げられています。また、無核ピオーネの普及に伴って被害が目立つようになっています。
ぶどう生育期における本病の伝染は、結果母枝や巻きひげ等の越冬した伝染源および、葉上の病斑に形成された分生子による二次伝染が確認されています。
晩腐病(キャンベル・アーリー) 晩腐病(ピオーネ)
果実感染は幼果期から7月下旬の硬核期まで起こります。露地栽培においては落花期から幼果期にかけて降雨が多い場合に発生が多くなり、感染が頻繁に起こりますが、施設栽培でも発生が見られます。新梢や果房への感染を防ぐためには、予防あるいは治療効果の高い薬剤散布が必要とされ、特に落花期から落花10日後頃(果実の大きさが小豆大の頃)に有効な薬剤散布することにより、本病菌の幼果への感染を抑制することができます。