農薬情報>殺菌剤


特長
有効成分 塩基性硫酸銅:Cuとしての含有量
ICボルドー66D:3.7%
ICボルドー48Q:2.5%
ICボルドー412:2.0%
毒性 普通物
魚毒性
ICボルドー66D:B類
ICボルドー48Q:B類
ICボルドー412:A類
■性状:青色水和性粘稠懸濁液体
■作用機構分類:FRAC M1(多)[塩基性硫酸銅]
 ボルドー液は、殺菌剤としてフランスで誕生してから約 120年の歴史をもつ農薬です。病原菌に対する殺菌効果と、植物の病害抵抗性を強める二つの働きがあり、今日においても広範囲に使用されています。
植物に散布されたボルドー液の粒子は、葉や果実、幹などの表面を覆い、外部からの病原菌侵入を防止します。散布された不溶性銅(ボルドー粒子)は雨露、空気、病原菌の有機酸によって徐々に銅イオンが溶け出し、病原菌の表面に吸着されます。このとき銅イオンは病原菌の酵素系を阻害するので、ボルドー液は非選択的で広い適用病害を有します。また、ボルドー液の銅イオンには、植物体内でエチレン生成を促進する作用があります。ボルドー液の散布により作物はしっかりとした生育をすることになり、病原菌に対する抵抗性が高まります。

 従来のボルドー液調製法では 2つの容器を用います。一方の容器に硫酸銅を溶解し、もう一方の容器で生石灰を消化させ石灰乳とした後、冷時撹拌しながら石灰乳側に硫酸銅溶液を投入して製造します。この際、しばしば硫酸銅溶解時に温湯を用いるので、冷時調製をしないと粒子が粗大化して懸垂性を著しく損ねます。また微粒子を調製するには撹拌も極めて重要な要素になります。

 このようにボルドー液は混合の仕方で品質安定性などが大きく影響されるため、粒子径の均一なボルドー液を得るのは難しく、かなりの熟練が要求されます。また調製には必ず2つ以上の容器を調達しなければならない点、調整後放置しておくと固体粒子の結晶が次第に成長して粒子が大きくなるため作り置きが出来ない点などの欠点がありました。
従来のボルドー液の長所を生かしつつ、その欠点を補い得るペースト状ボルドー液。それがICボルドーです。

 ICボルドーを散布すると、柑橘や梨など果樹の幹に発生する緑色のコケも付かなくなり、樹勢が回復します。成分であるカルシウムや銅はイオンとして溶け出し、最終的には作物に吸収されるので無駄がありません。ICボルドーは新JAS法有機農産物に使用できる農薬であり、収穫前日数や回数の制限もなく、環境にやさしい農薬として使用していただけます。
  • 多くの作物の広範な病害に対して、殺菌効果がある。
  • コストが安い。
  • 耐性菌が出ない。
  • 殺菌持続効果(残効)が長い。
  • 水で希釈するだけでよい。
  • 長期保存ができる。
  • 葉への付着力が非常に大きい。
  • 微粒子のために目詰まりしない。
適用作物及び使用方法:ICボルドー66D
作物名 適用病害虫 希釈倍数 使用方法 使用時期 散布液量
野菜類 軟腐病 100倍 散布 - 100〜300L/10a
すいか 炭疽病 50倍 散布 - 100〜300L/10a
つる枯病 50倍 散布 - 100〜300L/10a
トマト 疫病 50倍 散布 - 100〜300L/10a
ミニトマト 疫病 50倍 散布 - 100〜300L/10a
アスパラガス 茎枯病 50倍 散布 収穫終了後 100〜300L/10a
茎枯病 100倍 散布 - 100〜300L/10a
いちご 炭疽病 100倍 散布 - 100〜300L/10a
しょうが 白星病 50〜100倍 散布 - 100〜300L/10a
にんじん 黒葉枯病 50〜100倍 散布 - 100〜300L/10a
にんにく 白斑葉枯病 50倍 散布 - 100〜300L/10a
春腐病 50倍 散布 - 100〜300L/10a
やまのいも(むかご) 青かび病 2倍 2秒間種いも浸漬 植付前 -
あけび(茎葉) 斑点細菌病 40倍 散布 - 200〜700L/10a
薬用にんじん 斑点病 50倍 散布 - 100〜300L/10a
オリーブ(葉) 炭疽病 50倍 散布 - 200〜700L/10a
びわ(葉) がんしゅ病 50倍 散布 - 200〜700L/10a
かんきつ かいよう病 25〜200倍 散布 - 200〜700L/10a
黒点病 80倍 散布 - 200〜700L/10a
そうか病 80倍 散布 - 200〜700L/10a
幹腐病 2倍 散布 - 0.3〜0.5L/樹
幹腐病 50倍 散布 - 200〜700L/10a
カタツムリ類 25〜100倍 散布 - 200〜700L/10a
チャコウラナメクジ 25〜100倍 散布 - 200〜700L/10a
いちじく 株枯病 2〜4倍 株元灌注 - 1〜5L/樹
おうとう 褐色せん孔病 40倍 散布 - 200〜700L/10a
灰星病 40倍 散布 - 200〜700L/10a
樹脂細菌病 40倍 散布 - 200〜700L/10a
キウイフルーツ かいよう病 25〜50倍 散布 収穫後〜発芽前 200〜700L/10a
ぶどう 晩腐病 100倍 散布 - 200〜700L/10a
さび病 50倍 散布 - 200〜700L/10a
べと病 25〜100倍 散布 - 200〜700L/10a
もも せん孔細菌病 50倍 散布 - 200〜700L/10a
くるみ 黒斑細菌病 50倍 散布 - 200〜700L/10a
炭疽病 50倍 散布 - 200〜700L/10a
あんず かいよう病 50倍 散布 - 200〜700L/10a
うめ かいよう病 50倍 散布 葉芽発芽前まで 200〜700L/10a
びわ がんしゅ病 50倍 散布 - 200〜700L/10a
マンゴー かいよう病 40〜50倍 散布 - 200〜700L/10a
あけび(果実) 斑点細菌病 40倍 散布 - 200〜700L/10a
オリーブ 炭疽病 50倍 散布 - 200〜700L/10a
ゆり 葉枯病 50倍 散布 - 100〜300L/10a
樹木類 斑点症(シュードサーコスポラ菌) 50倍 散布 - 100〜700L/10a
こんにゃく 葉枯病 40〜80倍 散布 - 100〜300L/10a
腐敗病 40倍 散布 - 100〜300L/10a
ばれいしょ 疫病 50倍 散布 - 100〜300L/10a
やまのいも 青かび病 2倍 2秒間種いも浸漬 植付前 -
赤焼病 50倍 散布 最終摘採後 150〜400L/10a
炭疽病 50倍 散布 最終摘採後 150〜400L/10a
適用作物及び使用方法:ICボルドー48Q
作物名 適用病害虫 希釈倍数 使用方法 使用時期 散布液量
なし 黒星病  30倍  散布  収穫後〜開花前  200〜700L/10a 
ぶどう べと病  25〜50倍  散布  200〜700L/10a
こんにゃく 葉枯病  25〜50倍  散布  100〜300L/10a 
適用作物及び使用方法:ICボルドー412
作物名 適用病害虫 希釈倍数 使用方法 散布液量
かき(葉) 落葉病 50倍 散布 200〜700L/10a
かんきつ かいよう病 50倍 散布 200〜700L/10a
黒点病 50倍 散布 200〜700L/10a
かき 落葉病 50倍 散布 200〜700L/10a
なし 黒斑細菌病 30倍 散布 200〜700L/10a
輪紋病 30倍 散布 200〜700L/10a
りんご 褐斑病 30〜50倍 散布 200〜700L/10a
炭疽病 30〜50倍 散布 200〜700L/10a
斑点落葉病 20〜50倍 散布 200〜700L/10a
モニリア病 20倍 散布 200〜700L/10a
輪紋病 20〜40倍 散布 200〜700L/10a
もも 縮葉病 30倍 散布 200〜700L/10a
せん孔細菌病 30〜50倍 散布 200〜700L/10a
マルメロ ごま色斑点病 30倍 散布 200〜700L/10a
ネクタリン 縮葉病 30倍 散布 200〜700L/10a
せん孔細菌病 30〜50倍 散布 200〜700L/10a
あんず かいよう病 30倍 散布 200〜700L/10a
すもも かいよう病 30倍 散布 200〜700L/10a
黒斑病 30倍 散布 200〜700L/10a
こんにゃく 葉枯病 20〜50倍 散布 100〜300L/10a

混用事例 (井上石炭工業株式会社へのリンク)

散布例(散布適期) ICボルドー66D(果樹柑橘野菜茶・花・根)
ICボルドー48Q(ぶどう・なし
ICボルドー412(果樹



使用上の注意事項
効果・薬害などの注意
  • 石灰硫黄合剤、有機リン剤、マシン油乳剤等を混用すると薬効を減じ、また薬害を起こす原因となるので混用しないでください。
  • 散布直後に降雨があると薬害が発生しやすいので注意してください。
  • 高温時の散布では、葉及び新梢にボルドー液特有の銅による薬害が発生する場合があるので注意してください。
  • 核果類(もも、うめ、あんず)には薬害を生じる恐れがあるので、生育期にはかからないように注意してください。
  • りんごに使用する場合、高濃度(20倍)散布では、果実に汚れを生じる恐れがあるので無袋栽培では使用を避けてください。樹勢の弱い状態で使用すると落葉を助長し、またサビ果を生じる恐れがあるので注意してください。特につがる及びジョナゴールドでは注意してください。(ICボルドー412)
  • もも、ネクタリン及びすももに使用する場合、薬害を生じる恐れがあるので、開花後から8月末までは使用しないでください。(ICボルドー412)
  • なしに使用する場合、無袋栽培では果実に汚れを生じる恐れがあるので注意してください。(ICボルドー412)
  • ぶどうの無袋栽培で使用する場合、果房に汚れが生じる恐れがあるので、果実肥大期以降の散布は避けてください。
  • おうとうに使用する場合、北光には薬害を生じる恐れがあるので、使用を避けること。また、果実に汚れを生じるので収穫間際の散布は避けてください。
  • かんきつに使用する場合は次の事項に注意してください。
    1. 新梢伸長期には石灰による葉焼けを生じる恐れがあるので使用を避けること。(66D)
    2. 新梢伸長期には石灰による葉焼けを生じる恐れがあるので、新梢伸長期にはパラフィン系展着剤を加用すること。(412)
    3. 高温時の散布により銅剤特有の薬害(スターメラノーズ)を生じる恐れがあるので使用を避けてください。(412)
    4. 梅雨明け以降の夏季高温時の散布は、薬害(スターメラノーズ)を生じる恐れがあるので使用を避けること。
    5. 樹勢の弱い樹や異常気温が予想される場合は、落葉を助長する恐れがあるので使用しないこと。
    6. 幹腐病防除に高濃度(2倍)で使用する場合は、枝幹の病斑部に処理をすることとし、葉や果実に薬害がかからないように注意すること。
  • トマトに使用する場合、果実に汚れが生じる恐れがあるので注意してください。
  • びわに使用する場合、幼果期以降収穫までは薬害を生じる恐れがあるので使用しないでください。
  • ゆりに使用する場合は、次の事項に注意してください。
    1. 切り花用のゆりには汚れを生じるので、注意すること。
    2. オリエンタル系のゆりには、薬害を生じることがあるので使用しないこと。
  • アスパラガスの茎枯病防除に使用する場合、高濃度(50倍)散布では、茎に汚れを生じる恐れがあるので、収穫終了後の散布としてください。
  • もものせん孔細菌病防除に使用する場合、薬害を生じる恐れがあるので、開花後から8月末までは使用しないでください。
  • レタスに使用する場合、生育期後半の散布及び連用によって薬害を生じる場合があるので注意してください。
  • キャベツに使用する場合、結球期以降の散布では汚れを生じる場合があるので注意してください。
  • 本剤の使用に当たっては、使用量、使用時期、使用方法を誤らないように注意し、特に初めて使用する場合には、病害虫防除所など関係機関の指導を受けることが望ましいです。
安全使用・保管上の注意
  • 本剤は眼に対して強い刺激性があるので眼に入らないよう注意してください。眼に入った場合には直ちに十分に水洗いし、眼科医の手当を受けてください。使用後は洗眼してください。
  • 本剤は皮膚に対して強い刺激があるので皮膚に付着しないよう注意してください。付着した場合には直ちに石けんでよく洗い落とすこと。
  • 散布液調製時及び散布の際は保護眼鏡、不浸透性手袋、不浸透性防除衣、ゴム長靴などを着用してください。
  • 展着剤、固着剤は使用しなくても支障はありません。
  • 保管
    乾燥固結しないように密封して貯蔵してください。また、凍結するとその物理的性状が劣化するので、凍結には十分注意して保管してください。
  • 魚毒性
    本剤は水産動物に影響を及ぼすので、養殖池等周辺での使用には十分注意してください。