農薬情報>殺菌剤


特長
■種類名:ボスカリド水和剤
■有効成分:ボスカリド・・・50%
■性状:褐色水和性微粒
■安全性
人畜毒性:(製剤)普通物
魚毒性:(製剤)A類相当
有用昆虫・鳥:
・ミツバチ 散布乾燥後再放飼可
・マルハナバチ 散布乾燥後再放飼可
・マメコバチ 影響認めない
・鳥類 影響認めない
・蚕 安全基準日数 1日
・天敵 タイリクヒメハナカメムシ、コレマンアブラハバチ、キイロタマコバチ、ヤマトクサカゲロウ、ミヤコカブリダニ、チリカブリダニ、オンシツツヤコバチ、キクヅキコモリグモなどにほとんど影響を認めない
■有効年限:5年
■包装:(100g×10袋)×6箱/ 667g×20袋/ 1kg×10袋
■作用機構分類:FRAC 7(C2)[ボスカリド]
カンタスドライフロアブルは、新規系統の化合物で、従来の灰色かび病や菌核病防除剤とは一線を画す特性を持っています。まず、低い温度で胞子発芽をしっかり抑え、病原菌の感染を初期段階でシャットアウト。その効果が長続きするため、余裕のあるローテーションで散布できます。
さらに、病原菌の細胞内にあるミトコンドリア、タンパク質複合体Uに作用。エネルギー代謝を妨げ、他剤耐性菌にもすぐれた効果を発揮します。
  1. 灰色かび病、菌核病の両病害に顕著な効果
    野菜類・豆類・果樹の灰色かび病、菌核病に対し発生前から発生初期の散布で高い効果を発揮します。
  2. 残効性・耐雨性に優れる。
    有効成分が葉内に浸達するため、残効性や耐雨性に優れた剤です。
  3. 他剤耐性菌にも有効
    新しい系統の薬剤であり、既存の薬剤に耐性を示す菌にも有効です。
  4. 有効成分がスムーズに葉内に浸達。
    有効成分が葉内に入り、蒸散流により葉先・葉縁に移行し、散布ムラによる感染を防止します。
  5. 予防効果に優れる。
    治療効果も有するが、胞子発芽阻害に優れ、発病前から発病初期の予防的な散布が効果的です。
  6. 有用昆虫に影響が少ない。
    ミツバチ、マルハナバチなどの訪花活動への影響や、ハナカメムシ、クモ類などの天敵への影響は少ない剤です。
適用病害虫名及び使用方法
作物名 適用病害虫 希釈倍数 使用方法 使用時期 本剤の使用回数 散布液量 ボスカリドを含む農薬の総使用回数
小麦 眼紋病 1500倍 散布 収穫45日前まで 2回以内 60〜150L/10a 2回以内
キャベツ 株腐病 1500倍 散布 収穫7日前まで 2回以内 100〜300L/10a 2回以内
菌核病 1500倍 散布 収穫7日前まで 2回以内 100〜300L/10a 2回以内
ブロッコリー 菌核病 1500倍 散布 収穫14日前まで 1回 100〜300L/10a 1回
なばな 菌核病 1500倍 散布 収穫7日前まで 1回 100〜300L/10a 1回
きゅうり 褐斑病 1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
菌核病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
灰色かび病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
すいか 菌核病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
メロン 菌核病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
トマト 菌核病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
灰色かび病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
葉かび病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
ミニトマト 菌核病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
灰色かび病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
葉かび病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
ピーマン 黒枯病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
灰色かび病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
なす 菌核病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
すすかび病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
灰色かび病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
ししとう 黒枯病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 2回以内 100〜300L/10a 2回以内
灰色かび病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 2回以内 100〜300L/10a 2回以内
さやいんげん 菌核病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
灰色かび病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
さやえんどう 灰色かび病 1000倍 散布 収穫前日まで 2回以内 100〜300L/10a 2回以内
実えんどう 灰色かび病 1000倍 散布 収穫前日まで 2回以内 100〜300L/10a 2回以内
いちご 灰色かび病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
食用ぎく 灰色かび病 1000倍 散布 収穫7日前まで 2回以内 100〜300L/10a 2回以内
たまねぎ 灰色かび病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 4回以内(但し、定植前は1回以内、定植後は3回以内)
灰色腐敗病 1000〜1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 4回以内(但し、定植前は1回以内、定植後は3回以内)
小菌核病 1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 4回以内(但し、定植前は1回以内、定植後は3回以内)
にんじん 黒葉枯病 1000〜1500倍 散布 収穫14日前まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
斑点病 1000〜1500倍 散布 収穫14日前まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
らっきょう 灰色かび病 1500倍 散布 収穫前日まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
レタス 菌核病 1000〜1500倍 散布 収穫14日前まで 1回 100〜300L/10a 1回
灰色かび病 1000〜1500倍 散布 収穫14日前まで 1回 100〜300L/10a 1回
エンダイブ 菌核病 1500倍 散布 収穫7日前まで 1回 100〜300L/10a 1回
トレビス 菌核病 1500倍 散布 収穫7日前まで 2回以内 100〜300L/10a 2回以内
くきちしゃ 菌核病 1000〜1500倍 散布 収穫7日前まで 2回以内 100〜300L/10a 2回以内
灰色かび病 1000〜1500倍 散布 収穫7日前まで 2回以内 100〜300L/10a 2回以内
非結球レタス 菌核病 1000〜1500倍 散布 収穫14日前まで 1回 100〜300L/10a 1回
灰色かび病 1000〜1500倍 散布 収穫14日前まで 1回 100〜300L/10a 1回
かんきつ 灰色かび病 1500倍 散布 収穫14日前まで 3回以内 200〜700L/10a 3回以内
大粒種ぶどう すす点病 1000〜1500倍 散布 収穫7日前まで 3回以内 200〜700L/10a 3回以内
灰色かび病 1000〜1500倍 散布 収穫7日前まで 3回以内 200〜700L/10a 3回以内
豆類(種実、ただし、らっかせい、あずき、いんげんまめを除く) 菌核病 1500倍 散布 収穫7日前まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
あずき 菌核病 1000〜1500倍 散布 収穫7日前まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
灰色かび病 1000〜1500倍 散布 収穫7日前まで 3回以内 100〜300L/10a 3回以内
いんげんまめ 菌核病 1000〜1500倍 散布 収穫21日前まで 2回以内 100〜300L/10a 2回以内
灰色かび病 1000〜1500倍 散布 収穫21日前まで 2回以内 100〜300L/10a 2回以内
上手な使い方
早めの散布
胞子発芽阻害に優れているため、予防効果主体で開花期以降7〜10日間で使用してください。
無処理 カンタス250ppm処理
葉面上のBotrytis cinereaの分生胞子 葉面上のBotrytis cinereaの分生胞子は潰れている
(BASFドイツ研究所)
本剤は低濃度で胞子の発芽を抑制し、病原菌の伝染を初期の生育ステージで効率的に阻害します。そのため、本剤は病斑が生じる前(感染前)の早めの散布が効果的です。
胞子発芽阻害作用
EC50:0.07ppm(0.03〜0.17ppm)
EC98:1.1ppm(0.22〜1.94ppm)
的確な散布
灰色かび病、菌核病は通常、花弁から感染するので、花付近に薬剤が十分かかるよう散布してください。
輪番(ローテーション)散布
一般的に同一系統の薬剤を連続して使用すると薬剤耐性菌出現のおそれがあるので、作用性の異なる薬剤を輪番で使用してください。
作用機作
本剤はコハク酸を基質とした酸素呼吸を阻害し、病菌のエネルギー代謝を妨げ抗菌活性を発揮します。植物病原菌の細胞内にあるミトコンドリアに作用し、呼吸回路の一つである電子伝達系の中のタンパク質複合体Uと結合して呼吸エネルギー代謝を妨げます。この作用によりカンタスは植物病原菌のエネルギーとなるATPの合成を阻害し、菌を死滅させます。このユニークな作用機作は他剤耐性菌にも優れた効果を発揮します。
ミトコンドリアにおける電子伝達系阻害
灰色かび病菌の生活環と作用点
カンタスドライフロアブルは胞子発芽を強く阻害します。また、発芽管の伸長・付着器の形成も阻害し予防効果に優れています。
灰色かび病菌では菌糸伸長や胞子形成も阻害し、発病後の二次感染も防止します。
作用特性
浸達性
カンタスドライフロアブルは有効成分が葉内に入り、蒸散により葉内の水分移動とともに葉先・葉縁に移行し、ムラによる感染を防止します。
ぶどう葉内の14Cを用いた有効成分の移行性
(BASFドイツ研究所)
予防効果と治療効果
カンタスドライフロアブルは治療効果も有するが、高い予防効果があり、感染前の使用が効果的です。
いんげんまめ灰色かび病
残効性
カンタスドライフロアブルは有効成分が葉内に浸達移行するため、散布後長期間殺菌効果を示します。
いちご灰色かび病
      ・・・10日間隔と15日間隔散布との違いによる防除効果
薬剤名 希釈倍数 散布間隔 散布日 防除価
3/5 3/15 3/21 3/25 4/4
カンタス(ドライ) 1500倍 10日間隔
100
98
91
カンタス(ドライ) 1500倍 15日間隔

95
96
66
E(フロアブル) 1500倍 10日間隔
99
93
53
最終散布7日後調査 最終散布15日後調査 最終散布22日後調査
品種 さつまおとめ
発生 中程度(発病果率 最終散布7日後に43.4%)
3月6日から3月15日の間接種源を設置。
考察概要 少〜中発生条件下では、15日間隔で散布が可能であり、連続散布における
残効は、10日間隔4回散布で約22日、15日間隔3回散布で約15日程度。
(平成16年 鹿児島農試)

混用事例

試験成績 (いちご、トマト、なす、きゅうり、たまねぎ、ぶどう)

使用上の注意事項
効果・薬害などの注意
  1. 散布液調製の際は、水をかきまぜながら本剤の所定量を徐々に加えてください。
  2. 薬剤耐性菌の出現を防ぐため、本剤の過度の連用はさけ、なるべく作用性の異なる薬剤との輪番で使用してください。
  3. きゅうりに使用する場合、高温条件や散布後急激に乾燥すると葉焼けや日焼け果の発生を助長するおそれがあるので注意してください。
  4. 果菜類、ぶどうに使用する場合、浸透性を高める効果のある展着剤や葉面液肥と加用すると薬害を生じるおそれがあるのでさけてください。
  5. 本剤の使用に当たっては、使用量、使用時期、使用方法を誤らないように注意し、特に初めて使用する場合は病害虫防除所など関係機関の指導を受けてください。
  6. 適用作物群に属する作物又はその新品種に本剤をはじめて使用する場合は、使用者の責任において事前に薬害の有無を十分確認してから使用してください。なお、病害虫防除所等関係機関の指導を受けることが望ましいです。
安全使用・保管上の注意
  1. 本剤は眼に対して刺激性があるので眼に入らないよう注意してください。眼に入った場合には直ちに水洗いし、眼科医の手当を受けてください。
  2. 散布の際は農薬用マスク、手袋、長ズボン、長袖の作業衣などを着用してください。作業後は手足、顔などを石けんでよく洗い、うがいをするとともに洗顔してください。
  3. かぶれやすい体質の人は取り扱いに十分注意してください。
  4. 使用量に合わせ薬液を調製し、使いきってください。空袋は圃場などに放置せず、適切に処理してください。
  5. 保管
    直射日光をさけ、食品と区別して、なるべく低温で乾燥した場所に密封して保管してください。
製造:BASFアグロ(株)
グリーンジャパンホームへ