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カルホス粉剤試験事例

だいず のフタスジヒメハムシに対する効果

室内試験
@ 供試薬剤および希釈倍率:
市販の乳剤7剤【表1】を1000、5000、10000、20000培に希釈し、展着剤グラミン0.01%を添加。
A 処理方法:
葉柄の部分を水を含んだ脱脂綿とアルミホイルで包んだ大豆の葉1枚を薬液に5秒間浸漬し、1時間風乾後、プラスチックカップ(径12cm、深さ5cm)に入れ、翌日の8月28日、当日大門町のほ場で採集した成虫を10頭放飼。各区3反復
B 調査方法:
放飼2、24時間後の苦悶、死亡虫数を調査
ほ場散布試験
@ 試験場所:
大門町水戸田20eほ場3筆
A 耕種概要:
品種:エンレイ
播種:6月5日、6日
栽植密度:条間80cm、株間15cm
B 供試剤:
【表2】の7薬剤
C 散布方法:
7薬剤は8月12日に4kg/10a
D 区の設定:
無散布区を含め9区3反復(1区123.3m²)
E 調査方法:
各区2ヵ所で散布直前、10、21日後の1.8m間の成虫払い落とし調査。
また、10月2日に各区20株を刈り取り、主茎の食痕数、および粒径6mm以上の粒について被害粒を調査。
(平成4年、富山農技センター農試)

【表1】
供試薬剤 処理2時間後の死亡率 処理24時間後の死亡率
1000倍 5000倍 10000倍 20000倍 1000倍 5000倍 10000倍 20000倍
A剤 98.9a 6.4a 4.5a 0a 98.9 0b 4.3c 0b
B剤 0b 0a 0a 0a 98.9 6.7b 1.0c 0b
C剤 0b 0a 0a 0a 93.3 50.0 39.4b 1.1b
D剤 71.4 9.4a 6.7a 0a 98.9 89.2a 56.8b 8.8b
E剤 19.8 4.5a 4.5a 4.5 100 100a 100a 73.1
F剤 100a 71.2 36.0 13.0 100 100a 98.9a 100a
カルホス乳剤 46.6 3.7a 0a 0a 100 100a 100a 100a
F検定 *** *** *** *** *** *** *** ***
希釈倍率
F検定:***0.1%、**1%、Duncan(5%)
いずれの調査時も無処理区(展着剤添加)の死亡率は0%、苦悶虫は死亡虫に含めた。
【表2】

供試粉剤
払い落とし成虫剤
(畝1.8mm当り)
調査粒数 フタスジ
主茎食痕数/株
8月12日 8月22日 9月2日
1.3 0.3 46.2 1697 39.3ab 2.2ab 0 22.0 18.8
2.8 5.7 61.7 1886 50.0ab 2.6ab 0 8.3 30.8
3.0 2.2 80.2 1666 56.0ab 3.4a 0.3 3.3 28.3
2.3 0.7 44.2 1708 20.7ab 1.2b 0 0.7 18.9
2.3 1.3 63.8 1885 36.0ab 1.9ab 0 16.7 20.9
カルホス乳剤 2.2 0 20.3 1487 16.7b 1.1b 1.0 4.7 7.5
無散布 2.7 5.5 68.7 2247 87.0 3.7a 1.0 11.7 18.1
F検定 n.s. n.s. n.s. n.s. n.s. ** * n.s. n.s.
8月12日4kg/10a散布、ただし、昆虫病原糸状菌TM.41(黒きよう病菌)は8月2日2kg/10ab散布
粒径6mm以上
紫斑、腐敗、汚損、しわ、裂皮、および表中の虫害粒を除く
F検定:**1%、*5%、Duncan(5%)
【考察】
@ 室内試験の結果、24時間後の各希釈倍率から効果を比較すると、カルホス乳剤処理区は低倍率でも死亡率が高く、フタスジヒメハムシ成虫に対し効果の高い薬剤と考えられた【表1】。
A ほ場散布試験の結果、払い落としによる制虫数は散布10、21日後いずれの薬剤間にも5%以下で有意差は認められなかったが、カルホス粉剤散布区の成虫数が少なかった。また、黒斑粒数は、カルホス粉剤散布区で明らかに少なかった。なお、主茎食痕数は各散布区に有意差がなかったが、カルホス粉剤散布区が最も少なかった。