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21年度の園芸施設関連予算

 平成21年度の園芸関係予算の重点事項の一つが、省資源・書エネ対策である。強い農業づくり交付金(244億円の内数)を活用して、燃油消費量の低減に役立つ施設園芸用設備の導入だ。また、省石油型施設園芸技術の導入にも支援することにしている。多層被服やハイブリッド加温設備などのモデル的な導入、あるいは省エネ資材、格付の取組など、地球温暖化に向けた二酸化炭素の排出量削減などを目指したもので、その具体化を支援する。
先端技術など導入、省石油型施設園芸目指す
 昨年の原油高騰時には農業も厳しい状況となった。このため農水省も20年度予算の補正予算案を国会に提出した。以下、20年度補正、21年度予算での施設園芸予算をまとめてみた。
  • 【20年度補正予算】
    第1次補正予算の農林水産関係予算は総額2602億円。このうち施設関係は施設園芸省エネ技術緊急導入推進事業。10億円。
    省エネルギー型農業への転換を緊急に推進するために、木質バイオマス利用施設及びヒートポンプなどの先進的省エネルギー加温システムの導入実証に対し支援する。
    強い農業づくり交付金(28億円)を活用し、施設園芸の外張りの多重化や内張りの多層化、循環扇などを整備する。
    ソフト面では、燃油高騰緊急対策事業。500億円。施設園芸用の燃油の消費量を2割以上に低減するグループに対し燃料費の増加分に対して支援する。
    第2次補正予算、総額1463億円。地域雇用型農業経営確立緊急対策事業。9億円。地域の雇用を拡大する。担い手が行う機械、施設の導入に対し、融資主体型補助と共同利用施設補助を総合的に実施する。
  • 【21年度予算】
    • 省石油型施設園芸技術導入推進事業。温室効果ガスの排出量を削減するため、省エネ効果、温室効果ガス排出量削減効果の高い温室用加温設備のモデル導入を促進する。
      同省によると、農林水産分野の二酸化炭素排出量のうち施設園芸分野からの排出量は約45%を占めると見込んでいる。
      具体的な事業メニューはモデル導入と省エネ資材の格付けに支援する。
      前者は、
      1. 先進的省エネ加温設備として、木質バイオマス利用加温設備、ハイブリッド利用加温設備。
      2. 高断熱被服設備として、高断熱エアーハウス、多層被服設備の導入を支援する。
      後者は、農業者が省エネ効果の高い施設園芸用資材・設備を選択できるような客観的な評価に基づき、省エネ効果に応じた格付認定を行う取り組みを支援する。事業費10億円補助率定額。
    • 園芸産地の競争力の強化
      強い農業づくり交付金を活用。
      加工・業務用向け国産青果物の生産を拡大するため、必要な機械、施設など生産供給体制の整備を支援する。補助率の2分の1以内。
    • 施設園芸脱石油イノベーション推進事業
      1億円。石油に頼らない施設園芸を実現するため、トリジェネレーションシステムや小型水力発電を利用した温室、集出荷施設を導入する。具体的な技術としてはトリジェネレーションシステム、農業用水を利用した小型水力発電に対応した集出荷施設(ヒートポンプによる予冷、二酸化炭素利用のCA貯蔵)余剰電力を利用した電気自動車による収穫物の輸送体制。
    • 次世代園芸ロボット技術導入検証事業
      次世代園芸生産の確立に向け
      1. 園芸用ロボット技術の生産現場への導入(委員会で公募、現場へのテスト導入)
      2. 他産業用ロボット技術の園芸分野への転用。園芸分野では手作業が多いことから、マニピュレータ(手作業を代行する装置)型などの他産業で実用化の例が多い技術の導入が有望。特に、園芸は、天候の影響を受けにくいこと、ロボットの作業に適した栽培儀式を作りやすいことなどにより、ロボット技術が導入しやすいなどを挙げている。
    • 省エネ設備の導入
      屋根開放型のガラス室
      施設園芸の燃油使用量の低減に役立てる設備を導入する。予算は、強い農業づくり交付金244億円の内数。野菜、花き又は果樹の施設園芸農家が共同で行う
      1. 保温性を高める外張りの多重化(1重被服を2重被服に)及び内張りの多層化(2層カーテンを3層カーテンに)
      2. 多段式サーも装置の整備
      3. 循環扇の整備
    • 輸出促進対策
      農林水産物の輸出拡大に取り組む。平成25年度までに1兆円規模が目標。
      具体的な取組みとして
      1. 品目別の戦略的な輸出促進(輸出実行プランを普及充実、品種を識別するためのDNA分析技術の開発を支援し、わが国のオリジナル品種を保護し輸出促進を図る)
      2. 意欲ある農林業者に対する支援(海外での展示、商談会などの開催、農産物の輸出検査体制の強化)を支援する。
      3. 日本食材の海外への情報発信などを行う。
    • 花き対策
      花きの低コスト化、産地ブランド化などの競争力強化に向けた取組を支援する。具体的には、
      1. コスト低減を図るため、短茎多収栽培技術の普及に必要な低コスト耐候性ハウスや選花施設の整備などを支援する
      2. ブランド化のため、高級花き供給体制を構築するため、高度環境制御栽培施設の整備を支援する
      3. 輸出に必要な生産体制確立のための施設整備を優先的に支援する。
 このほか、新たに開発された革新技術、品種などを用いるための施設整備への支援など。

  【参照】:平成21年度農林水産予算の重点事項(農林水産省)
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