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農業こそ小学校で必須に

日経・・・2006/5/29
JT生命誌 研究館 館長 中村 桂子氏 インタビュー
「生き物」の時間取り戻そう
---子供に農業を学ばせるべきだと主張されています。---
 「小学校で農業を必須に、というのが私の考えです。戦後の日本は豊かで便利な国になりましたが、何かを失ったとみんな感じている。それは生き物としての時間の流れに背き、いつも追い立てられている現実への不安です。」、「じゃあ、どうしたらいいか。よく『心の教育』といいますが、実際には何をしたらいいか分からない。私たちの社会が失った時間の流れを取り戻すためのとても具体的な手段、それが農業です。」
---小学校教育では、英語必須化が焦点です。---
 「英語やコンピューターが小学生に必要ないとは言いません。でも、あえて英語やコンピューターをやる時間があるなら、農業を必須にと言いたい。それも夏休みだけの農作業体験とかじゃなく、日常のなかに組み込んでいかなければダメです。」
---どんな効果が期待できるんでしょうか---
 「まず作物を育てることで、子供が食べることの意味を感じ取るようになります。人間は生き物を食べて生きている。『食育』がブームですが、それならなぜ、生き物としての『食』をつくることに踏み込まないのかと思います。それに、農業は想像力をはぐくみます。トマト一つとっても、苗のときに赤い実がなる将来を予測し、計画するのが農業。見えない未来をイメージする訓練になります。」
 「同時に、自然があいてだから一生懸命やっても思い通りにならないことがあるのを学ぶ。収穫直前に台風が来たり・・・。そうすると次は何か予防を考えたりします。これはコンピューターをいじるよりはるかに複雑なことです。」
---農地の確保が難しそうですが。---
 「校庭を原っぱにしたらいい。芝生とかじゃないですよ。手入れしない原っぱ。その一角を耕し、作物を育てる。原っぱにはいろいろな草が生え、土中にはたくさんの虫がいる。それが全部理科の素材になります。理科離れなんて心配してますが、農業こそ理科そのもの。校区の小さな空き地を農地にしてもいい。これは都会に自然の取り戻すきっかけにもなるはずです。」
---様々な面で刺激になるということですか。---
 「生き物にモノサシを置いて考えるようになることで、心も豊かになります。以前から農業高校にかかわりを持っていますが、そこの生徒たちは驚くほど明るく、あいさつもきちんとできます。生き物を扱っているからだと思いますよ。『愛国心』を言葉で唱えるよりも、『ああ、この国はいいなあ』と自然な感情がわいてくるようにしたい。農業こそ総合学習です。」
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