野菜輸入で注目しなければならないのが、生鮮ものの輸入量だ。昨年の国内相場は全般に安値というだけでなく、品目によっては過去5年間、10年間で最低の価格を付けた。こうした記録的な安値相場であったにもかかわらず、生鮮の輸入量は過去最高の92万トンにも達した。1991年の台風・長雨によって
はくさい、キャベツ、レタスなど葉物類が大きな被害を受け、その結果、野菜の輸入に風穴があいた。それにしても10年間で3倍以上の増加は、抜き差しならない事態だ。
今回の生鮮野菜の輸入実態で三つのことを指摘したい。1つは全体の4割が中国からの輸入という点だ。天安門事件を経て92年に改革開放政策が定着したが、その直後からの日本の量販店や輸入業者の投資が増え、94年前後から開発輸入が始まった。関係者によると、利益が出始めたのは、ここ数年と言われる。消費低迷という国内事情や安定供給という彼らの商品政策を考えると、よほど価格的に魅力が失われない限り輸入は続くと見るべきである。
二つ目は、輸入の生鮮野菜が消費者に定着している現状だ。農水省の食料品消費モニター調査では、「価格など場合によっては外国産を買う」が全体の37%も上がっている。特に、若い世代の20代では、これが53%と5割を超えている。調査は原産地表示をきちっと行っていることを前提に質問しており、価格が安ければ外国産を購入する層は決して少なくないのである。スーパーが最近、国産と輸入品を並列販売するのも、こうした消費者層がいることを背景にした自信の表れだろう。
この層の購入行動が、今後どのようになっていくかが、今後の輸入量と密度にからまってくる。 |