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農薬産業としての今後の対応
現在の日本は飽食の時代で食糧に対する危機意識が薄れていること、食糧を支える農業自体、その存在の重要性が認識されなくなっており、同時に農薬の存在も否認されやすい状況にあります。
世界的な食料不足が予想される中、わが国の食糧確保、自給率向上のためには、何といっても農業の地位を向上させることが必要であり、農薬産業も農業の地位向上に貢献しなければなりません。そのためには以下のことを行って行く必要があるでしょう。 |
| 食糧の確保と農業に貢献する産業になるために |
- 現在より安全性が高く、高活性で機能的な農薬開発
労働力の軽減、見た目を含めた作物の高品質化志向などから、より高活性で機能的な農薬を開発して行かなければなりません。労働力不足や農家の高齢化は深刻化し、農作業の省力化の要請は強まっています。また、消費者の安全意識の高揚や環境保全型農業への対応から安全性についても、より高いものにして行かなければなりません。
- 既存剤の有用性の向上と効率的な使用
新規に開発される剤は、画期的付加価値を持つと同時に、長い試験期間と高額な開発費を要するために価格も高くなってしまいます。新規剤の開発と併行して既存剤の有用性を見直し、農家にとって経済的防除の出来る農薬を供給し続けることも農薬産業の使命であります。
- 新しい施用法、新剤型の開発
農薬を高活性で機能的なものにしていくために、新しい施用法および新剤型の開発が必要であると考えられます。最近の例として水稲箱処理剤や、除草剤のフロアブル剤・ジャンボ剤、パック剤やサーフ剤などがありますが、今後新施用法および新剤型を開発していくために、まず農業技術の方向性を確認しておかねばなりません。農薬産業は、農業機械や他の農業資材の関連産業と積極的にタイアップして農業技術の変化、革新を先取りし、新施用法や新剤型を創出することも必要となります。さらに1から3の対応を行うためには、登録制度での規制緩和の要望や、開発・流通経費の低減、既存剤の利益性改善による企業体質の強化が必要と思われます。
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| 社会に信頼される産業になるために |
- 農家や一般消費者の意向を吸収し、その意向に沿った価値を提供する
現状農薬産業は競争が激化しており、各企業とも他社の剤との差別化をねらって付加価値戦略をとっていますが、中には農業場面にとっては不必要なまでの価値が付加されている場合もあり、価値の氾濫とも言える時代になって来ました。また1つの分野に幾つもの剤がひしめき合うなど、剤の数が多すぎで存在価値が高まらないという現状もあります。メーカー理論による価値を押しつけ、真のニーズを歪めるような過当競争を緩和し公正な取引を確保したり、大型化する農薬流通や、新しい流通への適切な対応により、農家が本当に求めているものを把握し、供給したりしていかなければなりません。
- 一般社会に農薬の必要性と安全性についての認識を広め、一般消費者との認識のズレを埋める
一般消費者やマスコミなどと農薬産業に携わる我々との安全性の認識のズレを埋めることが必要であると考えられます。現在も農薬産業は農薬の安全性に理解を求めていますが、一般消費者は安全性を理解する機会が少ないことや、潜在的に農薬に対する悪いイメージを強く抱いており、大きな隔たりがあります。
また農薬産業側の、一般消費者に対する農薬の必要性や、安全性のPRの方法・頻度が十分でないこともこの隔たりの原因になっていると考えられます。この認識のズレを少しずつでも埋めていくことが農薬産業の重要な課題です。
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以上を総括すると、「農薬を価値あるものにする」と「農家や一般消費者における農薬の価値観を高めること」が命題であると言えます。
そして、よりよい農薬産業にするためには、農業への貢献と、社会で信頼される産業になるよう努力することを念頭に、今後求められうであろう課題に適切に対処できる産業であり続けなければなりません。 |
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