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特 長
  1. 製造過程
    イギリスのBCS社が、スペインで問題になっているニカメイガのモニタリング用に開発したもので、今では世界中でさまざまな害虫に使用されています。
  2. トラップの色
    世界で使用されているファネル型トラップは、屋根は濃緑色、ファネルは黄色、容器は白のものが多く、この組み合わせが一番捕獲効果が良いとされています。しかし、その使用場面によって色が変わっている場合があります。ゴルフ場での使用を考えると目立たなくするために黄色は使用していません。また、日射量の多い国では、捕獲された害虫が日射による温度で死亡するように透明の容器を使用しています。もちろん、これらの色の変更により害虫の捕獲効率は低下します。特に、ハスモンヨトウやニカメイガは黄色に誘引される性質がありますので、色の変更による捕獲効率低下の度合いは大きいと予測できます。
  3. ニカメイガ以外の害虫の誘引効果
    ハスモンヨトウに関しては従来のトラップより誘引効果が高いことを含め、ナシヒメシンクイ、コスカシバ、モモハモグリガ等で好結果が報告されています。(1990年4月日本応用動物昆虫学大会)
  4. 問題点の改善
    発売当初は、雨でフェロモン剤が濡れ、残効性に影響が出ないか、また、捕獲された害虫が容器に溜まった雨水でカウントしにくくなりはしないかと心配されたが、現在このような問題は発生していません。
    広く使用されるようになり、風による容器部の脱落が問題になりましたが、容器部とファネル部がロックできるように改善された「東海物産オリジナル」によりこの問題はクリアされました。(このロック装置は「東海物産オリジナル」のため、東海物産発売のファネルトラップにだけ装備されています。)
    フェロモン剤を取り付けるところは、バスケットタイプを使用していますので、どんなタイプのフェロモン剤でも使用できます。
    オオタバコガは、重要害虫としての位置付けの歴史が浅く、最適なトラップの選別は遅れています。日本でも近年さまざまなトラップによる発生調査が行われるようになりました。しかし、どの形状のトラップが最適かは、まだ結論付けられていません。発生ピークについては、ファネル型とデルタ型のどちらのトラップでも確認が可能という報告はあります(静岡府県防除所)。誘引害虫数に関してはデルタ型の方が優れるという報告もありますが、平成9年、淡路農業技術センターで行われたオオタバコガのトラップ別誘引効果試験では、ファネル型黄色の誘引効果が優れ、次いでファネル型緑、デルタ型は効率があまりよくないという研究報告が発表されています。現段階では、限定するにはまだ事例不足です。
  5. コスト面
    また、コスト面においてデルタ型は定期的(発生の多い時には毎日)に粘着剤を交換する必要があり、オオタバコガやハスモンヨトウなどの大型害虫での使用は、経済性に問題があるという指摘もあります。この理由から広い範囲で多くの調査ポイントを設ける場合には、ファネル型を使用するケースが多くなってきています。ファネル型は粘着型に比べ誘引効果に劣るという結果が出ている場合でも、誘引虫数が多少少なくとも、発生初期と発生最盛期を確認できれば、適期防除の材料には十分に利用できるということが言われています。
  6. 自作トラップの注意店
    ペットボトル等を用い、フェロモントラップを作り設置しているとこともありますが、トラップに入らない害虫や、一旦入り又出てしまう害虫が多いと、かえって害虫をフェロモン剤で呼び寄せるだけになってしまい、被害が増大する危険性があります。フェロモントラップはフェロモン剤を利用して誘引した害虫をできるだけ多く捕獲しなければならないことを忘れてはいけません。
    フェロモン剤を利用して誘引されたハスモンヨトウは、トラップに止まり10分ほどは歩き回り匂いの発生源を探すと言われており、ルアートラップFはこの習性も利用できるよう開発されています。
    トラップの色も誘引効果には大きく影響し、黄色のトラップが誘引効果に優れることは世界的に知られています。
フェロモントラップの使用方法
―ハスモンヨトウ・オオタバコガ防除時―
  1. 設置高
    1〜1.5m
    両害虫の設置高は、1〜2mが最適とされているが、調査や取り外しを考えると、1.5m以下が良いと思われる。フェロモン剤は、風の流れにより拡散するので、障害物(防風林・建物)がある場合には高い位置に設置することが多い。
  2. 設置間隔
    100f以上の場合・・・2台/1f
    10f以上の場合・・・4台/1f
    10f以下の場合・・・5台以上/1f
    ※20m以上離せば、出来る限り多い方が良い。
    ハスモンヨトウでの設置間隔は、広範囲で設置をする場合には1fに2基程度でよいとされていますが、これはあくまで平地での基準で高低差(土地の起伏)や障害物(建物・林)などがある場合には設置数を増やす必要があります。(フェロモン成分は、空気より比重が重く、特に起伏があると低い場所に水溜りのようにフェロモン剤が停滞してしまい、広範囲に拡散しなくなります。
    オオタバコガは、ハスモンヨトウに比べ飛翔能力などが劣るという点や、局地的発生が多くあるという理由から、現在設置間隔については研究が進められています。基本的には、ハスモンヨトウと同間隔で設置する場合が多いです。
  3. 設置時期
    ハスモンヨトウの発生前から設置する。
  4. 2種類以上のフェロモン剤を同地区で設置する場合
    2種類以上のフェロモン剤を同じ地区に設置する場合、最低でも20m以上の間隔を空けないと相互のフェロモン成分が大気中で混合し、両害虫とも誘引されないことがありますので十分な間隔を置く必要があります。
  5. トラップの種類
    ハスモンヨトウ用に多くのトラップが使用されている理由には、交尾行動に貪欲なことや飛翔能力が優れていることなどがあげられますが、ファネルトラップの登場と共に色に対する誘引効果の研究も進み、使用するとラップはファネル型に限定されつつあります。
  6. 性フェロモン剤とフェロモントラップを利用した「大量誘殺j法」とは、
    性フェロモン剤は、強い誘引力を持っています。性フェロモン剤とフェロモントラップを使用し、大部分のオス成虫を誘殺してしまうと、メス成虫が交尾をできなくなり、次世代の虫の発生は少なくなります。このような害虫防除法が「大量誘殺法」です。
フェロモン剤のハウス内利用
―ハスモンヨトウ対策―
フェロモントラップは、ハウス外に設置することが原則です。冬期にも被害が出る場合もあります。総合防除の一環としてやむを得ずハウス内で使用する場合には、
  1. ハスモンヨトウ成虫は低温に弱く、12℃以下では活発に飛べません。トラップをハウス内に移動する時期は12月中旬以降が大きな目安ですが、ハウス外に設置したトラップにハスモンヨトウ成虫が捕獲されない日が10日以上続くことを確認することも重要です。
  2. トラップをハウス内に移動するタイミングが早すぎると、ハスモンヨトウ成虫をハウス内に呼び寄せ被害につながる危険性がありますので、移動の時期には十分な注意が必要です。弊害を避けるために4ミリ目以下の防虫ネットを張ることも重要です。
  3. 3月上旬にはトラップをハウス外に設置し直して下さい。この時期ハウス外にはハスモンヨトウ幼虫の「餌場」が少なく、ハウス内作物は絶好の産卵場所になります。又、ハウス外のトラップに捕獲が確認された時期が早期防除の大きな目安にもなります。
3月〜12月の設置例(2基使用) 3月〜12月の設置例(4基使用)
12月〜3月の設置例(2基使用) 12月〜3月の設置例(4基使用)

試験成績
ハスモンヨトウ用フェロモントラップ捕獲虫数比較試験
愛知県泥美普及センター・東海物産(株)合同試験
平成19. 9. 14
【八王子地区 累捕獲虫数】
【高木地区 累捕獲虫数】
試験期間:
平成10年8月6日〜11月18日
試験方法:
圃場内3箇所にトラップ設置場所を固定し、
設置場所は7日おきにローテーションする。
ルアートラップFと自作フェロモントラップによる
ハスモンヨトウの誘引効果試験
試験期間:
1998年10月17日〜11月20日
試験地:
三重県四日市市高角町
試験方法:
2〜3日おきに捕獲虫数を調査し、設置場所も変更する。
使用フェロモン剤:
フェロモンルアー ハスモンヨトウ用
総発売元:東海物産株式会社