農POフィルムとは?
農POフィルムとは、「農業用ポリオレフィン系特殊フィルム」の略称で、登録商標となっています。
本フィルムの原料樹脂はポリオレフィン系樹脂で、この中には農ポリ原料である低密度ポリエチレン(LDPE)や農サクビ原料であるエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)も含まれています。
農POフィルムはポリオレフィン系樹脂を原料樹脂として、これに各種添加剤を配合し、さらにフィルムを多層構造化することで、農業用としての幅広い品質レベルを付与するように、特殊化した新しい範疇のフィルムです。
即ち、ポリオレフィン系樹脂を素材とし、耐久性、保温性、光線選択性、防曇性、および防霧性などの複数の機能を備えたことを特徴とする農業用フィルムです。
農POフィルムの保温特性について
軟質フィルムを用いたハウスやトンネルなどの施設栽培において、施設内の夜間温度が「高い」「低い」により施設の保温性レベルを比較表現しています。
この夜間温度の高低はいろいろな要因で決まります。
使用フィルムの赤外線吸収能/防曇性/防霧性/防塵性/柔軟性などの特性や、ハウス・トンネルの構造(特に密閉性)などが夜間温度の高低を左右します。
この中で、フィルムの赤外線吸収能はフィルムの分光透過特性から理論的数値化でき、これはフィルム原材料と厚みによって決まる値です。この値はフィルムの保温性レベルを判定する場合の一つの目安(吸収能が大きいほど保温性が良い)として、しばしば用いられています。
「農PO」という登録商標を使用する商品には、保温性の目安として赤外線吸収能をEE、E、M、Dの4ランクに分け、それぞれ「農POマーク」とともにEE、E、M、Dのレベルをフィルムに印刷表記しています。
4ランクの赤外線吸収能レベルと従来の農ビ、農サクビ、農ポリとの関係を図示します。