IPM(Integrated Pest Management)とは?


耕種的、生物的、化学的、物理的な防除法をうまく組合わせ、経済的被害を生じるレベル以下に害虫個体群を減少させ、かつその低いレベルを持続させるための害虫個体群管理のシステムであり、害虫による被害軽減にとどまらず、付加価値を持った生産物の提供や薬剤抵抗性問題軽減、農業環境の保全などを農家や消費者にもたらします。
参照:「農政」→「IPM防除を一層推進
IPMの目的
病気や害虫が発生しにくい環境づくり
圃場環境の整備
排水・高うね
通風良好
損傷回避
適正施肥
過乾・過湿排除
伝染源保毒植物除去
圃場内外雑草除去
未熟有機物過剰施用回避

IPM (総合防除)プログラムとは・・・


天敵にやさしい殺虫剤や殺菌剤を使いながら、害虫の天敵である寄生蜂などの有用昆虫を温存し、作物の品質・収量を安定させる総合防除体系のことです。同一薬剤を多用するのは好ましくありません。薬剤のローテーション散布を心掛けることによって、作る人には省力と減農薬で安心という価値が生まれ、食べる人には安全・安心を贈る、減農薬でも品質・収量を安定させる、人にやさしい農産物づくりの手法です。

主なIPM資材情報



IPMの実践


より防除効果を安定させ、環境への負荷も少ない防除方法として、IPMが注目されています。この方法は、病害虫が発生しにくい栽培体系やほ場条件、在来天敵が活動しやすいほ場環境づくり、病害虫の侵入を防ぐ耕種的防除法の活用などと農薬による防除法とを上手に組合わせて総合的に防除していこうというものです。このIPMを実現するため、フェロモン剤の活用、BT剤の利用、天敵に影響の少ない農薬の組み合わせによる防除体系の確立が進められています。
IPMプログラムの作型例
いちごの例
トマトの例
春キャベツにおけるコナガの防除体系・千葉県のコナガの防除基準
フェロモン剤の活用
フェロモン剤は、害虫の性フェロモンと類似した化合物をほ場に漂わせることにより害虫同士の交信を妨害して、交信攪乱により交尾の邪魔をし、次の世代の発生を抑えることで被害を減らすシンクイコンやハマキコン、また、メスの性フェロモンを利用してオスを捕殺するフェロディンSLなどが活用されています。
BT剤の利用
BT剤は、バチルスチューリンゲンシスとう細菌が作る殺虫性タンパク質を利用した殺虫剤です。 剤は鱗翅目害虫にのみ効果を発揮し、クモなどの天敵はもちろん人や動物に対する安全性が極めて高い薬剤です。そのため、天敵類をうまく活用した防除体系に安心して組み込める薬剤です。
BT剤とは?
天敵に影響の少ない薬剤の利用
従来から日本に土着している天敵類は意外に多く、しかも害虫の発生を抑えるために大いに役立っていることがわかってきました。防除薬剤を選択する際には、これら土着天敵にも配慮した防除体系が組まれるようになりました。
化学的防除の工夫
薬剤別情報は農薬情報

IPM総合防除を成功させるには


天敵放飼前に
防虫ネットで開口部を被覆します。
害虫の温床となる周辺雑草を除草します。
耐病性品種を導入します。
植物保護剤の残効期間を考慮しながら、定植前の防除を徹底します。
粘着板等を用いて害虫の発生状況をよく把握し、天敵を放飼します。
(天敵が定着しやすい春、または秋の放飼をおすすめします。)
天敵放飼後は
天敵と害虫の発生状況をよく把握して下さい。
植物保護剤散布は、天敵への影響を考慮して下さい。
病気を予防するために、葉かきを行って下さい。
(ただし定着した天敵の持出しに注意して下さい。)